ITの力で政治や権力に対して賛成や反対の意見を表明できるようになった日 ~より良くしていくために~

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検察庁法改正案の採決が延期されましたが、その要因の一つとしてTwitter等で多くの人が反対の意見を表明したことが挙げられています。自分としては画期的な出来事だと思いましたので、考えたことをつらつらと書いていきます。

これまでは、説明不足や審議が十分に尽くされていないと思われる法案改正・疑惑の追及に関して、野党の鋭い指摘や国会前でのデモ活動、ネットでの抗議は行われていましたが、政府・与党が強行採決をしたり、疑惑での調査をしない、と決めたら覆すことは難しく、強行採決した後にお決まりで発せられる、「理解を得るためにていねいに説明していく」ことは全く説明されず、政治に対する無力感を感じることが多かったです。選挙で選ばれた議員や政党に、公約にも掲げていなかったことまで、全てを白紙委任してしまっているわけではありませんので。

安保法昨年採決時 衆院、抗議で大量退席 参院、野党5党が反対 (東京新聞 2016.3.30) → 当時の議員一人ひとりがどのような投票行動をとったか記載されています。

独裁政治の腐臭 (ニュースサイト ハンター 2017.5.26) → 強行採決を行った案件一覧が記載されています。

しかし、今回Twitter等で多くの人が「おかしい」と声をあげたことで、強行採決は延期されました。多くの人が「おかしい」と感じたことや意見を表明し、その声が政治に届き、多数の意見が反映されたという実績が出来たことは、非常に良かったと思います。

半面、現状のSNSには色々と課題(後述)があるとも思います。しかしながら、課題は解決すれば良いものだと思っていますので、悪用されないように気を付けながら良い方向にしていきましょう。以下に自分が思う、課題や解決案を記載します。

<課題1>SNSは、他人への「なりすまし」や一人で複数のアカウントも作れてしまう。ネットの声は実態とは違うのではないか。本当の民意は反映されていないのではないか。

<解決案1>検察庁法改正の投稿(Twitter)に関しては、下記でデータの分析がされています。要約すると、約3日間で473万件あまりの投稿が60万弱のアカウントから投稿されていたとのことでした。ただし60万弱のアカウントは実態として何人なのかは明らかではないので、ネットの情報だけで判断せず、街の人の声も聞くなどして、総合的に判断していくことが必要です。

検察庁法改正めぐる投稿 その実態は 専門家がデータ分析 (NHK News Web)

<課題2>アメリカの大統領選挙や台湾の総統選挙で問題となった、フェイクニュース等による誹謗中傷や、特定の勢力による世論の誘導などが発生するのでは?

<解決案2>SNSの特性上、真偽の分からない情報でも、影響力のある人が発信すると拡散されていきますし、動画編集技術の進化等でフェイクニュース、フェイク動画も精巧になっていますので、真偽を見分けるのは難しくなっています。また、いったん流れた情報は訂正・謝罪をしたとしても、人々の記憶には間違ったまま残ることも多いです。プラットフォーム(FacebookやTwitter等)による対策も行われていますが、情報を受け取る側も進化して、膨大な情報の中から正しい情報、有益な情報を選別・判断する能力が必要になると考えています。現状で言えば、Twitterの投稿履歴等を見て、「なんでもかんでもアクロバティックに権力側の擁護をしているアカウント」なのか「ニュートラルな発言をしているアカウント」なのか等を見てみると面白いと思います。いずれはAI処理で自動的に情報源として信頼できる/できない等がスコア化されていくのではないかと考えていますが、プラットフォーム自身が中立/公正か、権力に利用されていないかは都度確認する必要があると思います。

【自民党「Truth Team(T2)」がキックオフ!】(自民党Facebook)

ガイアックス、自民党参議院候補者に公式Facebook、Twitter投稿モニタリングを提供 (PR Times 2013.6.20)

現時点ではTwitterが政治の情報を収集したり、自分の意見を表明したりするのに一番適していると感じています。意図せず誹謗中傷を受けたり、設定ミスや過去の投稿内容から個人情報が漏えいするリスク等もありますので、利用方法を良く勉強してから使っていただきたいです。新しく始めてみよう、という方は、プライベートなことをつぶやくアカウントとは別の政治専用のアカウントを作成して、政治に関する情報収集や意見の表明などをされてみてはいかがでしょうか。

国会議員いちらんリスト →政党や各議員のWebサイトやSNS等がまとめられています。

※本情報について
2020/5/27現在で、自分が調べたり体験した情報等を基に記載致しました。
情報の誤り等による不利益等が発生いたしましても、補償等は一切できませんのでご了承下さい。

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